写真はイメージです(Photo: Thomas de Fretes / Unsplash)
岐阜市が、保護した犬や猫を世話して新しい飼い主につなぐ「動物愛護センター」をつくる計画案をまとめました。今の施設は50年以上前に建てられ、とてもせまくなっています。市は10月31日まで、この計画案への意見を市民から集めています。
岐阜市が新しいセンターの計画案をまとめる
岐阜市は2026年10月、「(仮称)岐阜市動物愛護センター整備基本計画(案)」を公表しました。「仮称」は、正式な名前がまだ決まっていないという意味です。NHKも10月21日に、この計画がまとまったと伝えています。
新しいセンターは、市の北部にある畜産センター公園の中につくる予定です。この公園は1973年に開園した古い公園で、今は「岐阜市民公園」として新しく作り直す計画(再整備)が進んでいます。センターは、その入り口近くの「ふれあいゾーン」に建てられます。場所は岐阜市椿洞です。
今の施設は築58年、犬のおりは6つだけ
今、岐阜市で迷子の犬や猫などを一時的にあずかっているのは、岐阜市境川にある「畜犬管理センター」です。建てられたのは1968年3月で、2026年4月の時点で築58年になります。
建物の床の広さは約46平方メートルで、学校の教室より少しせまいくらいしかありません。犬のおりは6つ、猫の部屋は7つだけです。
計画案では、建物が古くなっていることや、国(環境省)が決めた飼い方の基準に合わせるのがむずかしいことが課題としてあげられています。病気がうつらないように動物を分けておく部屋がないことや、けがをした動物の治療や手術ができないことも問題です。さらに、災害のときや、一つの家でたくさんの動物を飼いきれなくなる「多頭飼育崩壊」が起きたときに、受け入れる場所が足りないことも心配されています。
新しいセンターはどんな建物?
新しいセンターの床の広さは約670平方メートルで、今の施設のおよそ15倍になります。外には約400平方メートルの運動スペースもつくられます。犬は10頭、猫は30匹までお世話できる計画です。
建物の中には、猫の飼育室(約140平方メートル)、動物をみる診療室(約30平方メートル)、講習会などに使う研修室(約70平方メートル)などが入る予定です。
計画案は、センターの役割として4つの柱をかかげています。動物愛護の取り組みを進める拠点、市民が動物とふれあえる拠点、ボランティアなどといっしょに活動できる拠点、そして災害のときに被災した動物を助ける拠点です。
譲渡の前に健康チェックやしつけも
センターの大事な仕事のひとつが「譲渡」です。譲渡とは、保護された犬や猫を、新しい飼い主にゆずりわたすことです。計画案には、譲渡の前にマイクロチップ(飼い主の情報とつながる小さな電子の札)を入れることや、子どもが生まれないようにする手術、ワクチン接種、しつけのトレーニングを行うことが書かれています。ホームページやSNSでの情報発信や、ボランティア、獣医師会との協力も進めます。
ほかにも、飼い方の相談やしつけ方教室、子ども向けの動物愛護教室、飼い主のいない猫を地域で見守る「地域猫活動」への協力、災害にそなえたケージやテント、ペットフードのたくわえなども予定されています。
スケジュールは、2026年度に基本計画をつくり、2027年度以降に設計や工事を進めるとしています。
豆知識:全国の保護犬・保護猫の数は?
環境省のまとめでは、2024年度に全国の自治体が引き取った犬と猫は、合わせて3万9409匹でした。2004年度の41万8413匹とくらべると、10分の1以下に減っています。
一方で、元の飼い主に返したり、新しい飼い主に譲渡したりした数は、2004年度の2万9323匹から、2024年度は3万2506匹に増えました。動物をあずかるだけでなく、新しい家族との出会いをつくる場所として、各地の愛護センターに期待が高まっています。
市民も意見を出せます
計画案は岐阜市のホームページで読むことができ、10月31日(必着)まで意見を受け付けています。窓口に持っていくほか、郵送、ファクス、メール、専用の入力フォームから出すことができ、名前と住所を書く必要があります。集まった意見は、市の考えといっしょに後で公表されます。
犬や猫をむかえたいと考えている人にとっては、自治体の愛護センターや譲渡会も出会いの場になります。家族として最後まで飼えるか、事前によく考えることが大切です。むかえた後の健康のことは、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
ここがポイント
- 岐阜市が新しい動物愛護センターの計画案をまとめ、10月31日まで意見を募集中
- 今の施設は築58年で床は約46平方メートル。新センターは約670平方メートルになる予定
- 犬10頭・猫30匹をお世話でき、譲渡や災害時の動物の救護の拠点にもなる
- 全国の犬猫の引き取り数は、20年でおよそ10分の1に減っている
出典: 岐阜市「(仮称)岐阜市動物愛護センター整備基本計画(案)の意見募集」(2026年10月)、岐阜市「(仮称)岐阜市動物愛護センター整備基本計画(案)概要」(2026年10月)、NHK「『岐阜市動物愛護センター』整備基本計画まとまる」(2026年10月21日)、岐阜市「岐阜市民公園再整備事業」(2026年2月2日更新)、環境省「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」(2024年度)
