写真はイメージです(Photo: Noémi Macavei-Katócz / Unsplash)
手や足が不自由な人の毎日を助ける「介助犬」。社会福祉法人日本介助犬協会は、11月21日(土)に愛知県長久手市の介助犬総合訓練センター「シンシアの丘」で見学会を開きます。全国で働く介助犬は56頭(2025年10月時点)とまだ少なく、仕事ぶりを知るよい機会です。
11月21日、長久手市の訓練センターで見学会
見学会は2026年11月21日(土)の午後2時から4時まで、愛知県長久手市にある「シンシアの丘」で開かれます。協会の活動や介助犬の歴史、日本での今の様子についての説明があり、PR犬(介助犬の仕事を紹介するための犬)が介助の動作を実際にやって見せてくれます。
参加するには、協会のウェブサイトの予約フォームから申し込みます。先着順で、申し込みが多いと受付を一時止めることもあります。参加費はひとり500円ほどを寄付としてお願いしています。10人くらいの団体は、別に問い合わせが必要です。
建物の中はくつをぬいで入るため、上ばきを持っていきます。階段があるので、スリッパ以外がすすめられています。ペットは中に入れず、車の中で待たせることもできません。最寄りの駅からの送迎バスはなく、藤が丘駅からタクシーで行くようすすめられています。12月19日(土)にも、同じ時間で見学会が予定されています。
介助犬はどんな仕事をするの?
介助犬は、病気やけがなどで手や足が不自由な人の、毎日の動作を助ける犬です。落とした物を拾って手渡す、電気のスイッチを入れる、服を着たりぬいだりするのを手伝う、といった仕事をします。
目の不自由な人を助ける「盲導犬」、耳の不自由な人に音を知らせる「聴導犬」と合わせて、「身体障害者補助犬(補助犬)」とよばれます。2002年に施行された(実際に使われ始めた)「身体障害者補助犬法」によって、電車やバス、お店、レストラン、病院、ホテルなどは、補助犬を連れた人の受け入れを断ってはいけないことになっています。
全国で働く介助犬は56頭
厚生労働省のまとめによると、2025年10月の時点で、全国で働いている介助犬は56頭です。盲導犬の768頭とくらべると、とても少ない数です。都道府県別では東京都の13頭が最も多く、神奈川県の7頭、大阪府の6頭と続きます。愛知県は3頭で、介助犬が1頭もいない県もたくさんあります。
介助犬を育てる費用の約90%は、寄付によってまかなわれています。介助犬を必要としている人に届けるには、育てる人や支える人の輪を広げていくことが欠かせません。
介助犬になるまで約2年
日本介助犬協会によると、子犬は生まれてから生後2か月ごろまで、ボランティアの家で母犬やきょうだいといっしょに過ごし、犬どうしのあいさつなどを覚えます。その後は「パピーホーム」とよばれるボランティアの家庭で約10か月間育てられます。たくさんの愛情を受けて人が大好きな犬になれるよう、トイレの練習やお留守番、乗り物に乗る体験などを重ねます。
1歳を過ぎると訓練センターに入り、約1年間、トレーナーと訓練をします。スーパーや飲食店、電車やバスなど、外のいろいろな場所にもなれていきます。3か月ごとに何人ものトレーナーが向き不向きを確かめ、合わない犬を無理に介助犬にすることはありません。
2歳前後になると、介助犬を使う人といっしょに「合同訓練」をします。法律で40日以上と決められていて、最初は訓練センターに泊まりこみ、そのあとは自宅で続けます。最後に試験と審査に合格すると、介助犬として認められます。
豆知識:介助犬に向いている犬
介助犬として活やくしているのは、ラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバー、その2つの犬種のミックスが多いそうです。健康で人が大好き、作業が好きで、どこに行っても落ち着いていられる犬が向いています。
反対に、大きな音が苦手な犬や、初めての場所で緊張しやすい犬は、介助犬の仕事がストレスになってしまいます。そうした犬は、介助犬にならないほうがその犬にとって幸せだと考えられています。
町で介助犬に出会ったら
介助犬は「介助犬」と書かれた表示をつけています。仕事中の介助犬には、話しかけたり、じっと見つめたり、勝手にさわったりしないようにしましょう。食べ物や水をあげるのもやめます。使う人が、食事や水の量をきちんと管理しているからです。
介助犬を連れている人が困っていそうなときは、犬ではなく、その人に「何かお手伝いしましょうか」と声をかけてみましょう。
ここがポイント
- 11月21日(土)午後2時から、愛知県長久手市の「シンシアの丘」で見学会(先着順・予約が必要)
- 介助犬は手や足が不自由な人の生活を助ける犬で、全国で56頭(2025年10月時点)
- 介助犬になるまでには約2年かかり、育てる費用の約9割は寄付
- 仕事中の介助犬には、話しかけない・さわらない・食べ物をあげない
出典: 日本介助犬協会「シンシアの丘見学会」(2026年9月3日)、日本介助犬協会「介助犬になるまで」、日本介助犬協会「介助犬に向いてる犬ってどんな犬?」、厚生労働省「身体障害者補助犬の実働頭数」(2025年10月)、島根県「身体障害者補助犬について」
