写真はイメージです(Photo: Malin K. / Unsplash)
ノルウェージャン・フォレスト・キャットは、北ヨーロッパのノルウェー生まれの、大きくて毛の長い猫です。寒さに強いふさふさの毛と、首のまわりのえりまきのような毛が特徴で、日本でも人気があります。見た目や歴史、いっしょに暮らすときのポイントを紹介します。
見た目:大きくてがっしり、水をはじく毛
体は大きめでがっしりしていて、骨もしっかりしています。アメリカの猫の登録団体CFAによると、おとなのオスの体重は約5.4〜7.3kg、メスは約4.1〜5.4kgほどです。成長がゆっくりで、体ができあがるまでに5年ほどかかることもあります。
顔は、三つの辺がほぼ同じ長さの三角形で、鼻すじはまっすぐです。アーモンドのような形の大きな目をしています。耳には飾り毛が生え、先がふさになっていることもあります。足の指の間にも毛が生え、しっぽは長くふさふさです。こうした毛は、北欧のきびしい冬の風や雪から体を守るのに役立ちます。
毛は「ダブルコート」とよばれる2層の毛です。外側の長い毛は水をはじき、内側には羊の毛のようなやわらかい毛が生えています。寒い季節には首から胸にかけて「ラフ」とよばれる毛がふさふさになり、夏には毛が短くなります。毛色は黒、赤、青、シルバーなどいろいろで、白が入るものや、しまもようのものもいます。
ふるさとはノルウェー、神話にも登場
ノルウェーでは「スコグカット」(森の猫)とよばれ、昔から人の近くで暮らしてきました。CFAによると、はっきりした始まりは分かっていませんが、森から出てきて、農家でネズミをとる猫として暮らすようになったと考えられています。北欧の神話には、愛と美の女神フレイヤの乗り物を、2頭の大きな森の猫が引いていたという話があります。バイキングが船のネズミよけとして連れていたともいわれています。
20世紀には、ほかの猫とのあいだに子どもが生まれることが続き、ノルウェーでも昔ながらの姿の猫がほとんどいなくなりかけました。1930年代に守る計画が始まりましたが、第二次世界大戦で中断します。1970年代にノルウェーで本格的な取り組みが始まり、オーラヴ国王によって「ノルウェーの公式の猫」とされました。
アメリカには1979年に初めてのペアがわたりました。TICA(国際的な猫の登録団体)は1984年に、CFAは1993年に、キャットショーで競える猫種として正式に認めています。
性格:かしこく、マイペース
TICAやCFAによると、かしこくて自立心があり、おだやかで家族に忠実な性格とされています。べったりあまえるタイプではありませんが、長い時間ひとりにされると、仲間を探しに来ることもあるそうです。ひざに乗るかどうかは猫が自分で決める、というマイペースなところも魅力です。家族の中で、特にお気に入りの一人をつくることも多いといわれます。
鳴き声は小さめで、うれしいときには小鳥のような「チャープ」という声を出すこともあります。子どもやほかのペットとも仲良くしやすいとされていますが、性格は一頭一頭ちがいます。
いっしょに暮らすときのポイント
高い所が大好き:高い場所を好むので、背の高いキャットタワーや爪とぎを用意しましょう。CFAは、用意しないと台所の戸だなの上がお気に入りの場所になるかもしれない、と紹介しています。
遊び:ふだんはおだやかでも、ときどき急に元気に走り回ることがあります。おもちゃを追いかけたり、かくれてとびかかったりする遊びが好きです。
お手入れ:毛が長いわりに、毛玉になりにくいのが特徴です。週に1回ほどくしでとかし、毛がたくさん生えかわる春には回数をふやします。つめ切りや歯のチェックも定期的に行いましょう。水をはじく毛なので、シャンプーをするとぬれるのにもかわくのにも時間がかかります。
暑さ:寒い土地で暮らしてきた猫なので、日本の夏は部屋の温度に気を配ってあげると安心です。
気をつけたい健康のこと
TICAやCFAでは、この猫種で、肥大型心筋症(心臓の筋肉が厚くなる病気)や糖原病IV型、ピルビン酸キナーゼ欠損症といった、親から受けつがれる病気が見られることがあると紹介しています。繁殖する人たちは検査を行い、病気を減らす取り組みを進めています。
これらは猫種についての一般的な情報で、すべての猫がかかるわけではありません。元気や食欲、息のしかたなどで気になることがあれば、自分で判断せず、かかりつけの獣医師に相談しましょう。ワクチンや寄生虫の予防についても、獣医師と相談しておくと安心です。
豆知識
英語では「Norwegian Forest Cat」と書き、アメリカなどでは「ウィージー」という愛称でもよばれます。CFAによると、ノルウェーで最初のこの猫種のクラブができたのは1970年代の半ばで、血統書のない猫の中から特徴に合う猫を選んで、繁殖が進められました。
ノルウェージャン・フォレスト・キャットを家族に迎える方法は、ペットショップだけではありません。動物愛護センターや保護団体では、保護された猫の新しい飼い主を探す譲渡会も開かれています。迎え方の一つとして知っておくとよいでしょう。
ここがポイント
- ノルウェー生まれの大きな長毛の猫で、ふるさとでは「森の猫」とよばれる
- 水をはじく2層の毛と、冬にふさふさになる首まわりの毛が特徴
- かしこくマイペース。高い所が好きなので、キャットタワーがあるとよい
- 迎えるときは、保護猫の譲渡という選び方もある
出典: The Cat Fanciers’ Association「Norwegian Forest Cat」、The International Cat Association「Norwegian Forest」(いずれも2026年10月31日閲覧)
