新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)で今年6月に生まれたバンドウイルカのオスの赤ちゃんの名前が「アクア」に決まりました。11月3日に命名式が行われ、館内のブリーディングプールで、お母さんといっしょに泳ぐ姿を見ることができます。
6月19日生まれのオス 人工授精で誕生
アクアが生まれたのは、2026年6月19日の午前2時56分です。お母さんは新江ノ島水族館で暮らす「シリアス」、お父さんはアクアワールド茨城県大洗水族館で暮らす「ニック」です。お父さんとお母さんは別々の水族館にいるため、ニックの精子を使った人工授精(人の手で精子を届けて妊娠させる方法)で生まれました。
水族館によると、人工授精は2025年6月に行い、7月31日の超音波検査(体の中を音で調べる検査)でお腹の赤ちゃんを確認しました。生まれて2週間ほどたった7月3日には、体長130.8cm、体重28.0kgまで育っていました。
名前はお父さん・お母さんから
名前は一般の人から案を集めて決めました。「アクア」を考えた人は何人もいて、その中から抽選で名付け親が選ばれました。名付け親によると、お母さんの「シリアス」とお父さんの「ニック」の名前を組み合わせたことに加え、海を思わせる言葉であること、ステージでかがやいてみんなに愛されてほしいという願いもこめたそうです。
寄せられた案の中で、同じ「アクア」を思いついた人が何人もいたというのは、それだけ親子にぴったりの名前だったということかもしれません。アクアは「水」を表す言葉としても知られています。
命名式は文化の日の11月3日に行われ、名付け親には館長から年間パスポートと大きなイルカのぬいぐるみがおくられました。
水族館で続く人工授精の取り組み
新江ノ島水族館は2017年から、人工授精によるバンドウイルカの繁殖に本格的に取り組んできました。2020年4月に初めて人工授精での赤ちゃんが生まれ、アクアは2例目です。イルカはトラックなどで運ぶのが大変な大きな動物です。精子を運ぶ方法なら、遠くの水族館にいるイルカ同士でも、動物を引っ越しさせずに子どもをもうけることができます。
豆知識:バンドウイルカってどんなイルカ?
バンドウイルカは「ハンドウイルカ」とも呼ばれ、熱帯から温帯の世界中の海にすんでいます。大人の体長は2〜4m、体重は150〜650kgほど。魚やイカなどを食べ、40〜60年ほど生きるといわれ、メスのほうが長生きです。
お母さんのお腹の中にいる期間はおよそ12か月で、ふつう1回に1頭を産みます。生まれたときの体長はおよそ1m。アクアの場合も、人工授精の2025年6月から誕生の2026年6月まで、ちょうど1年ほどお腹の中で育ったことになります。赤ちゃんはお母さんのそばをぴったり泳ぎながらお乳を飲み、長いと6年ほどお母さんといっしょに過ごします。また、短く高い音を出して、はね返ってきた音で相手の形や距離を知る「エコーロケーション」という力を持っています。
見に行くなら
アクアはイルカショースタジアムのとなりにあるブリーディングプールで暮らしています。ただし、親子の体調や様子によって、その日に見られるかどうかが決まります。生まれて4か月あまりがたち、お母さんのまねをして泳ぎ方を覚えていく時期です。親子が並んで息つぎをする様子などを、静かに見守りましょう。
ここがポイント
- 新江ノ島水族館で6月19日に生まれたバンドウイルカのオスの名前が「アクア」に決定
- 母シリアスと父ニックの名前を組み合わせ、海のイメージと願いもこめた名前
- 大洗水族館にいる父の精子を使った人工授精で、同館では2例目の誕生
- ブリーディングプールで公開中。ただし親子の様子により見られない日もある
出典: 新江ノ島水族館 ニュース(バンドウイルカの赤ちゃんの愛称決定)(2026年11月3日)、新江ノ島水族館プレスリリース「バンドウイルカの赤ちゃんが誕生しました!」(2026年7月17日)、ナゾロジー図鑑「イルカ」