写真はイメージです(Photo: Alin Luna / Unsplash)
犬と同じベッドで寝ても、人の眠りの長さや質は変わらない――。カナダのトロント大学の研究グループが、犬と飼い主の夜の動きを機械で記録して調べ、こんな結果を発表しました。むしろ、人が動いて犬を起こしてしまうことのほうが多かったそうです。
どんな研究?
研究をしたのは、トロント大学で人類学を研究するラバニア・ナゲンドランさんたちのグループです。結果は2026年10月7日ごろ、科学の雑誌「PLOS One(プロス・ワン)」に発表されました。
協力したのは、カナダ南部のオンタリオ州に住む25人と、その人たちと暮らす犬38頭です。犬はすべて健康なシベリアン・ハスキーか、アラスカン・マラミュートでした。研究は新型コロナウイルスが流行していた時期に行われ、オオカミと犬の動き方をくらべる大きな研究の一部として進められました。
手首と首輪に記録する機械
研究グループは4週間、人には手首に、犬には首輪に、歩数計のような「活動量計」をつけてもらいました。活動量計は、体がどれくらい動いたかを記録する小さな機械です。この記録から、どれくらいの時間眠ったか、ぐっすり眠れたかを調べました。
あわせて、人には「よく眠れたかどうか」をアンケートで答えてもらいました。犬の多くは飼い主のベッドや同じ部屋で寝ていて、別の部屋で寝る犬も少しいました。
分かったこと
アンケートでは、およそ半分の人が「眠りをじゃまされた」と答えました。とくに、何頭もの犬といっしょに寝ている人にその傾向がありました。ところが、機械の記録では、犬といっしょに寝ても、人も犬も、眠った時間や眠りの質は変わっていませんでした。犬がベッドの上で寝ても、近くの床などで寝ても、ちがいはなかったそうです。
おもしろいのは、夜中に人と犬が同じころに動き出すことがよくあった点です。どちらが先に動いたかを調べると、人が先だったのはおよそ45%、犬が先だったのはおよそ18%でした。つまり、人が寝返りなどで犬を起こしてしまうことのほうが多かったのです。2020年に発表された別の研究では、犬のほうが人の動きにえいきょうするという結果が出ていて、今回はそれとは反対の結果になりました。
気をつけたい点
この研究は人数が少なく、女性が多く、犬の種類もハスキーとマラミュートに限られていました。小さな犬やほかの犬種では、結果がちがう可能性もあります。2017年にアメリカのメイヨー・クリニックという病院が発表した研究では、犬が近くにいるとよく眠れるものの、犬がベッドの上にいる場合はそうではないという結果も出ています。研究によって結果はさまざまです。
研究に加わっていない睡眠の専門家は、犬はごはんや散歩、寝る時間の「合図」になり、毎日同じリズムで暮らす助けになるかもしれないと話しています。一方で、大きな犬はベッドの場所をとりますし、犬は物音や光で目をさますこともあります。パグやフレンチ・ブルドッグなど鼻の短い犬は、大きないびきをかくこともあるそうです。
豆知識:シベリアン・ハスキーってどんな犬?
シベリアン・ハスキーは、ロシアのシベリア北東部で生まれた犬で、昔からそりを引いたり、狩りを手伝ったりしてきました。20世紀のはじめにアメリカのアラスカへ伝わり、犬ぞりレースで活躍しています。体の高さは51〜60cmほど、体重は16〜27kgほどの、中くらいから大きめの犬です。明るく活発な性格で、長いきょりを走り続けられるねばり強さがあります。日本でもペットとして飼われています。
いっしょに寝るか決めるときは
犬といっしょに寝るかどうかは、家族の体調やアレルギー、犬の大きさ、寝る場所の広さなどを考えて、家族で話し合って決めるのがよいでしょう。どこで寝る場合でも、毎日同じ時間に寝起きするなど、生活のリズムを整えることが大切です。夜中に何度も起きる、いびきがとても大きいなど、犬の様子が気になるときは、かかりつけの獣医師に相談してください。
ここがポイント
- 犬と同じベッドで寝ても、人や犬の眠りの長さや質は変わらなかった
- 夜中は、人が先に動いて犬を起こすことのほうが多かった
- 人数が少なく犬種も限られるため、結果は「今回の場合」と考えたい
- 犬は毎日の生活リズムを整える助けになるかもしれない
出典: NBC Bay Area(NBC News)(2026年10月7日)、WJAR NBC 10(2026年10月8日)、コトバンク「シベリアンハスキー」(2026年10月22日参照)
