福岡市動物園が、ツシマヤマネコの飼育を始めてから今年で30年になります。これを記念して、10月31日(土)の午前11時から、ツシマヤマネコのくらしや守る取り組みを紹介する特別ガイドを開きます。予約はいらず、当日だれでも参加できます。
全国の動物園で初めて飼育
福岡市動物園は1996年(平成8年)に、全国の動物園で初めてツシマヤマネコの飼育を始めました。2026年で、ちょうど30年になります。
環境省の資料によると、ツシマヤマネコを動物園でも増やしていくために、1996年に野生のツシマヤマネコ5頭が保護されました。1999年からは福岡市動物園の協力で繁殖、つまり赤ちゃんを産んで増やす取り組みが始まり、2000年に初めて赤ちゃんが生まれました。
10月31日の特別ガイドの中身
特別ガイドは、動物園の中にある「動物情報館ZooLab」の多目的ホールで開かれます。スライドを使って、ツシマヤマネコの生態(どんなくらしをしているか)や、今どんな状態にあるのか、守るための活動、繁殖の取り組みをくわしく説明します。
動物園では10月を「ツシマヤマネコ月間」として、いろいろな催しを行ってきました。特別ガイドは、その最後をしめくくるイベントです。開始の時間までに、動物情報館に行けば参加できます。
ボードゲームで学ぶ催しも
同じ10月31日の午後1時30分からは、飼育員が考えたボードゲーム「ツシマヤマネコの子だくさん大作戦」も開かれます。ゲームを通して、ツシマヤマネコが減ってしまった理由や、守るための取り組みを学べます。今年の春に生まれたツシマヤマネコの映像も紹介されます。
定員は16人で、当日の午前9時から動物情報館で整理券を先着順に配ります。小学生以上におすすめの内容です。参加は無料ですが、高校生以上は動物園の入園料がかかります。
今年の春には赤ちゃんも
福岡市動物園では、2026年4月25日にツシマヤマネコのメスの赤ちゃん1頭が生まれました。お父さんは「ジミー」、お母さんは「チョコ」です。木に登ったり、ボールや水で遊んだりしながら成長してきました。名前は投票で選ばれ、10月8日の「ツシマヤマネコの日」に発表される予定とされていました。この日付は、ツシマヤマネコの別名「とらやま」にちなんでいます。
ツシマヤマネコってどんな動物?
ツシマヤマネコは、長崎県の対馬だけにすんでいる野生のネコです。体の長さは50~60cm、体重は3~5kgほどで、家で飼われるネコとほぼ同じ大きさです。
体には斑点のもようがあり、ひたいにはしまもようがあります。しっぽは太くて長く、耳のうしろには白い斑点があるのが特徴です。この耳の斑点は「虎耳状斑」とよばれ、トラの耳にも見られるもようです。主にネズミを食べ、鳥や昆虫も食べます。朝や夕方のうす暗い時間に活動し、ふだんは1頭でくらしています。一度に産む子どもは1~2頭で、家のネコより少なめです。
数がへってしまった理由
環境省によると、野生のツシマヤマネコは100頭弱しかいないと考えられています。すみかになる林がへったこと、えさのネズミがへったこと、道路などで生息地が分かれてしまったこと、交通事故などが理由としてあげられています。家のネコから病気がうつることも心配されています。
そのため、対馬で自然を守る活動と合わせて、動物園でも数を増やす取り組みが続けられています。環境省の資料では、2020年10月の時点で8つの動物園で飼育され、そのうち6つの園で繁殖に取り組んでいました。動物園で見られるツシマヤマネコは、もしものときに種を守るための大切な存在です。
特別ガイドで話を聞いたあとに、本物のツシマヤマネコを見ると、もようや体の大きさ、動き方の特徴に気づきやすくなるかもしれません。対馬の自然や、そこで続けられている保護の取り組みに目を向けるきっかけにもなりそうです。
ここがポイント
- 福岡市動物園は1996年に全国の動物園で初めてツシマヤマネコを飼育
- 飼育30年を記念し、10月31日午前11時から特別ガイド(予約不要)
- ツシマヤマネコは対馬だけにすみ、野生の数は100頭弱とされる
- 動物園での繁殖は、種を守るための大事な取り組み
出典: 福岡市動物園「ツシマヤマネコ飼育30周年記念 特別ガイド」、福岡市動物園「オリジナルボードゲーム~ツシマヤマネコの子だくさん大作戦~」、福岡市 報道発表資料(ツシマヤマネコの子ネコについて)、環境省「ツシマヤマネコ」