写真はイメージです(Photo: Hans-Jurgen Mager / Unsplash)
鹿児島市の平川動物公園に、仙台市八木山動物公園で生まれたホッキョクグマのメス「そら」がやってきます。到着は12月25日の予定です。いっしょに生まれた双子のオス「うみ」は、愛知県の豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)へ移ります。
双子の「そら」と「うみ」、それぞれ新しい動物園へ
平川動物公園が10月26日に発表しました。「そら」は2024年12月20日に八木山動物公園で双子として生まれたメスで、もうすぐ2歳になります。お父さんは「カイ」、お母さんは「ポーラ」です。
平川動物公園への到着は12月25日の予定ですが、体調などによって日にちが変わることもあります。双子のきょうだいの「うみ」は、それより早い11月25日に豊橋へ移る予定です。仲よく育った2頭は、これから南と西に分かれて、それぞれの場所で新しい暮らしを始めることになります。
鹿児島にも豊橋にも、ふたたびホッキョクグマが
平川動物公園では、ホッキョクグマの「ライト」が2025年3月に北海道の円山動物園へ移ってから、ホッキョクグマがいない状態が続いていました。豊橋総合動植物公園でも、岩の上からのダイブが人気だった「クッキー」が、ホッキョクグマとしてはとても長生きの33歳で2026年3月に亡くなり、飼育がとだえていました。今回の移動で、どちらの動物園でもふたたびホッキョクグマに会えるようになります。
平川動物公園の担当者は、日よけやミスト(霧のような細かい水)、寝室のエアコンなどで暑さ対策をがんばると話しています(MBC南日本放送の報道より)。鹿児島は日本の中でもあたたかい地域です。寒い北極にすむ動物が元気に過ごせるよう、さまざまな工夫が用意されます。
なぜ移動するの? 動物園どうしで取り組む「種の保存」
今回の移動は、日本動物園水族館協会の「ホッキョクグマ管理計画」にもとづいて行われます。これは、国内の動物園が協力して、ホッキョクグマを将来まで残していくための計画です。動物園にいるホッキョクグマの数は限られているため、どの動物園でどの個体を育て、どのペアで赤ちゃんを目指すのかを、全体で話し合いながら決めています。
「そら」と「うみ」が引っ越すことで、八木山動物公園には飼育スペースができます。そこで、両親の「カイ」と「ポーラ」による新しい赤ちゃんの誕生を目指すそうです。「そら」は、大人の体になる(性成熟する、つまり赤ちゃんを産める体になる)まで平川動物公園で過ごす予定で、その後のことはまだ決まっていません。
いつ見られるの?
展示を始める日は、まだ決まっていません。平川動物公園は、検疫(病気を持っていないかなどを調べる期間)と、新しい環境に慣れることを優先し、日にちが決まったらホームページなどで知らせるとしています。豊橋総合動植物公園の「うみ」も、体調や新しい場所への慣れ具合を確かめてから展示開始日を決めるそうです。
引っ越したばかりの動物は、音や景色、においなど、すべてが新しいものばかりです。会いに行けるようになったら、大きな声を出さずに、そっと見守るようにしましょう。
豆知識 ホッキョクグマってどんな動物?
ホッキョクグマは、カナダやアラスカ、グリーンランド、ロシア、ノルウェーなどの北極圏にすんでいます。陸でくらす肉食の動物の中で最も大きな種類のひとつで、オスは体長約2.5m、体重は約500kgにもなります。野生ではおもにアザラシを食べていて、動物園では馬肉や魚、野菜、専用のペレット(固形のえさ)などを食べています。
白く見える毛は、じつは半透明で、ストローのように中が空いています。この毛がびっしり生え、さらに厚い脂肪があるおかげで、とても寒い北極でも体の熱を逃がさずにいられます。ほかのクマとちがって足の裏にも毛が生えていて、氷の上でもすべりにくくなっています。泳ぐのも得意です。
いっぽうで、地球温暖化によって北極の海の氷が減り、アザラシをつかまえる場所が少なくなっています。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは「危急種」(絶滅のおそれがある種類)とされていて、野生の数は北極圏全体で約2万6000頭と推定されています。
ここがポイント
- 八木山動物公園生まれのメス「そら」が、12月25日に平川動物公園へ到着する予定
- 双子のオス「うみ」は、11月25日に豊橋総合動植物公園へ移る予定
- 日本動物園水族館協会の計画にもとづく「種の保存」の取り組み
- 公開日は未定。それぞれの動物園の公式発表を確認しよう
出典: 平川動物公園「ホッキョクグマの来園について」(2026年10月26日)、平川動物公園「HIRAKAWA Zooかん ホッキョクグマ」(2026年10月26日確認)、豊橋市プレスリリース「ホッキョクグマが再び豊橋に!」(トラベルスポット掲載)(2026年10月26日)、MBC南日本放送(Yahoo!ニュース)(2026年10月26日)
