写真はイメージです(Photo: Daisy D / Unsplash)
マダニにかまれることでうつる感染症「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」について、厚生労働省が2026年10月7日に「Q&A」の第9版を公開しました。犬や猫もかかることがあり、ペットと暮らす人にも役立つ注意点がまとめられています。秋は散歩や行楽で草むらに入る機会が多い季節。家族みんなで予防のポイントをおさえておきましょう。
SFTSってどんな病気?
SFTSは、SFTSウイルスというとても小さな病原体(病気のもと)がからだに入って起こる病気です。おもにウイルスをもったマダニにかまれることでうつります。人がかかると、熱が出たり、だるくなったり、おなかの調子が悪くなったりして、重くなることもあります。
Q&Aによると、日本では2025年に、11月2日までに183人の患者が報告され、これまでで一番多い年になりました。以前は西日本に多い病気でしたが、2025年は関東地方や北海道でも報告があり、まだ患者が出ていない地域も含めて、全国で注意が必要だとしています。
栃木県でも呼びかけ
栃木県動物愛護指導センターは10月15日、ホームページでSFTSへの注意を呼びかけました。全国の患者は今年7月12日の時点で104人で、記録的だった去年の同じ時期とほぼ同じペースだといいます。栃木県では昨年度、県内でうつったと考えられる患者が初めて報告されました。マダニが活発な春から秋は、野外での活動やペットの世話のときに特に気をつけてほしいとしています。
マダニはどんな生き物?
マダニは、家の中にいるダニとはちがう、草むらややぶにすむ大きめのダニです。血を吸う前の大きさは3〜8mmほどですが、血を吸うと10〜20mmほどにふくらみます。日本では、フタトゲチマダニやキチマダニなどがSFTSに関わっているとされています。
ただし、すべてのマダニがウイルスをもっているわけではありません。日本でウイルスをもつマダニの割合は、地域や季節によってちがいますが、0〜数%ほどとされています。こわがりすぎず、かまれないように工夫することが大切です。
犬や猫もかかることがある
日本では、猫や犬、チーターがSFTSにかかった例が報告されています。かかっても症状が出ないことが多い一方で、熱が出る、元気がなくなる、はくといった様子が見られることもあり、猫では皮ふや白目が黄色くなる「黄だん」が出ることもあります。
人への感染は、具合の悪い動物の血やだ液に直接ふれたこと(猫にかまれた例を含む)で起きています。Q&Aでは、元気なペットや、家の中だけで暮らすペットから人にうつった例は報告されていないとしています。必要以上に心配せず、ふだんの接し方を見直すことがポイントです。
飼い主ができる予防
Q&Aでは、ペットと暮らす人に向けて、次のような点をあげています。散歩から帰ったら、目の細かいくしなどを使って、ペットのからだにマダニがついていないか確かめましょう。マダニ予防の薬は、かかりつけの獣医師に相談して選ぶのが安心です。
ペットの皮ふにしっかりかみついているマダニは、無理に引っぱってとらず、動物病院でとってもらいましょう。口移しで食べ物をあげる、同じふとんで寝るといった近すぎるふれあいはひかえ、さわったあとは手を洗います。ペットの具合が悪そうなときは早めに動物病院へ。そのときはマスクや手ぶくろを使うとよいそうです。
人も、草むらに入るときは長そで・長ズボン、くつ、ぼうし、手ぶくろを身につけ、首もとも守ります。明るい色の服はマダニを見つけやすくなります。外から帰ったらおふろに入り、首、耳、わきの下、ひざのうらなどを確かめましょう。もしかまれたら、自分で無理にとらずに皮ふ科などの病院へ行き、数週間は体調の変化に気をつけてください。
ここがポイント
- 厚生労働省が10月7日、マダニがうつすSFTSのQ&A第9版を公開
- 2025年の患者は過去最多。西日本だけでなく関東や北海道でも報告
- 犬や猫もかかることがある。散歩のあとはマダニがついていないかチェック
- かみついたマダニは無理にとらず、予防や体調のことはかかりつけの獣医師に相談を
出典: 厚生労働省「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A」第9版(2026年10月7日)、栃木県動物愛護指導センター「重症熱性血小板減少症候群、栃木県も推定感染地に」(2026年10月15日)
