写真はイメージです(Photo: Kojirou Sasaki / Unsplash)
胴長で足が短く、ちょこちょこ歩く姿が人気のミニチュア・ダックスフンド。もとはドイツで、地面の穴にもぐって猟をするために生まれた犬です。今回は、その見た目や歴史、性格、一緒に暮らすときのポイントを紹介します。
どんな見た目? 3つの大きさと3つの毛
ダックスフンドには、大きい順に「スタンダード」「ミニチュア」「ラビット(カニンヘン)」の3つの大きさがあります。国際的な犬の団体である国際畜犬連盟(FCI)の基準では、体重ではなく胸のまわりの長さ(胸囲)で分け、生後15か月以上になってから測ります。ミニチュアは、オスで胸囲32cmより大きく37cmまで、メスで30cmより大きく35cmまでです。
毛の種類は、短くつやのある「スムース」、長くふさふさした「ロング」、かためでごわっとした「ワイヤー」の3つ。大きさとの組み合わせで、全部で9つのタイプがあります。毛色は、赤っぽい茶色の「レッド」、黒や茶色にあわい茶色の模様が入る「ブラック・タン」など、いろいろです。アメリカの動物病院グループVCAによると、ダックスフンド全体の体高(地面から肩までの高さ)は約13〜23cm、体重は約5〜14.5kg、寿命は12〜14年ほどです。
ふるさとはドイツ 名前は「アナグマ犬」
原産国(ふるさと)はドイツです。アメリカン・ケネル・クラブ(AKC)によると、「ダックスフンド」はドイツ語で「アナグマ犬」という意味。アナグマという動物の巣穴にもぐりこんで猟をする犬として、17世紀の終わりごろから形がととのえられてきました。短い足や穴をほるのに向いた前足は、せまい巣穴の中で動くための体のつくりです。
1800年代にドイツでウサギがふえると、ウサギの巣穴に入れる小さなタイプがつくられました。これがミニチュアやラビットのはじまりです。毛の種類では、スムースがいちばん古く、ロングはスムースから、ワイヤーはテリアの仲間の血が入って生まれたと考えられています。犬種の会として最も古い「ドイツ・テッケルクラブ」は1888年にできました。
性格は? 勇かんで甘えんぼう
FCIの基準では、ダックスフンドは生まれつき人なつこく、こわがりでも乱暴でもない、おだやかな気質とされています。一方で、もともとは猟犬なので、勇かんで好奇心が強く、においをかぐのが大好き。VCAによると、家族にはとても甘える一方、知らない人には用心深くなることがあり、よくほえる子もいます。頭がよく覚えるのは早いですが、がんこな面もあるので、しかるよりも、できたらほめておやつをあげるやり方が向いています。もちろん、性格は1頭ずつちがいます。
一緒に暮らすときのポイント
体は小さくても活発な犬です。VCAは、トイレのための外出とは別に、1日1〜2回の散歩をすすめています。散歩でいろいろなにおいをかぐことは、頭の運動にもなります。家の中でのおもちゃ遊びや、かんたんな芸を教えるのもよいでしょう。
毛の短いスムースは体温がにげやすく、寒さが苦手です。冬は部屋をあたたかくしましょう。お手入れは、スムースなら週に1回ほどブラッシングをして抜け毛を取ります。ロングは毛がからまりやすいので、もう少しこまめにとかしてあげましょう。また、少しの量で足りる小さな体なので、おやつのあげすぎに注意が必要です。
気をつけたい健康のこと
ダックスフンドは、背骨と背骨の間にあるクッション(椎間板)が飛び出して神経をおす「椎間板ヘルニア」が起こりやすい犬種として知られています。イギリスでは、ケンブリッジ大学のグループが遺伝との関係を調べるなど、研究が進められています。また、太りやすい傾向もあるとされ、体重がふえると背中への負担も大きくなります。歩き方がおかしい、だっこをいやがるなど、気になる様子があれば、自分で判断せず、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
豆知識
ダックスフンドの仲間は、ドイツでは「テッケル」や「ダッケル」とも呼ばれています。FCIでは今でも、猟の能力を確かめる「作業試験」の対象になっている犬種で、本格的な猟犬の顔も持っているのです。家族に迎えたいときは、ペットショップだけでなく、保護犬の譲渡会で出会うという方法もあります。
ここがポイント
- ふるさとはドイツ。名前はドイツ語で「アナグマ犬」という意味
- 大きさは胸囲で3つに分かれ、毛の種類も3つある
- 活発で好奇心が強い。散歩は1日1〜2回が目安
- 背中の病気が起こりやすいとされるので、気になったら獣医師に相談
出典: FCI「Dachshund(No.148)」、American Kennel Club「Dachshund History」、VCA Animal Hospitals「Dachshund」、Vet Times、ケンブリッジ大学 Canine Genetics Centre
