写真はイメージです(Photo: Dmitry Rodionov / Unsplash)
環境省は2026年10月15日、ペットショップなど動物をあつかうお店が、犬や猫以外の哺乳類をどのように飼うかについて、新しい基準を決めました。うさぎ、ハムスター、モルモットは、ケージ(おり)の広さが体の大きさをもとに数字で決められます。2027年6月1日から始まります。
どんなルールなの?
今回決まったのは、動物愛護管理法という法律にもとづいて、環境省がつくる「省令」(くわしい決まり)の改正です。対象は、動物を売る、預かる、貸し出す、見せるといった仕事をする「動物取扱業」のお店や施設です。家で動物を飼っている人に向けた決まりではありませんが、動物との暮らし方を考えるヒントがたくさんつまっています。
犬と猫については、2021年6月から、ケージの広さなどを数字で決めた基準が先にできていました。そのとき環境省は、ほかの哺乳類、鳥、爬虫類についても順番に考えていくとしていました。今回は、そのうち犬と猫以外の哺乳類の基準が決まったことになります。
環境省の説明資料では、対象になる動物の例として、うさぎ、ハムスター、モルモットのほか、チンチラ、デグー、シマリス、フクロモモンガ、ヨツユビハリネズミ、フェレット、そしてウマやヤギなどの家畜もあげられています。
ケージの広さは「頭胴長」で決まる
広さの基準のもとになるのは「頭胴長」です。鼻の先からしっぽの付け根までの長さのことです。
うさぎ1匹のケージは、たての長さが頭胴長の2倍以上、横はばが1.5倍以上、高さが1.7倍以上と決められました。たとえば頭胴長が30cmのうさぎなら、たて60cm、横45cm、高さ51cm以上のケージが必要です。うさぎが自然に立ち上がったり、寝そべったりできる広さということです。長い間飼う場合は、走ったりとびはねたりできる場所を用意するか、運動させる予定を決めておく必要があります。
ハムスター1匹は、床の広さが「頭胴長×頭胴長」の7.5倍以上、高さが頭胴長の2倍以上です。頭胴長が10cmなら、床は750平方センチメートル以上、高さは20cm以上になります。モルモット1匹は、床の広さが「頭胴長×頭胴長」の6倍以上、高さが1.5倍以上です。何匹かをいっしょに入れるときは、1匹ふえるごとに広さを足していきます。
温度や明かり、ふれあいの決まりも
ケージの広さのほかにも、動物の体と心を守るための決まりがあります。主なものを紹介します。
- 暑さや寒さで体調をくずすような場所で飼わない。温度計と湿度計を置く
- 昼と夜のリズムに合わせて明かりを調整する。いつもきれいな飲み水をあげる
- お店で動物を見せる時間は、原則として朝8時から夜10時の間で、1日12時間まで
- 夜8時から朝8時までは、動物の休みをじゃまするような形でお客さんを入れない
- 売るために運んだ後は、2日以上ようすを見る
お客さんが動物にさわれるお店では、動物がにげこめる場所をつくることや、お客さんに手を消毒してもらうことも決められました。とても幼い動物や、ストレスを感じている動物をふれあいに使うことはできません。
なぜ大事なの?
うさぎやハムスターは体が小さく、具合が悪くても、人に気持ちを伝えるのが得意ではありません。これまでの決まりは「動物に合った広さ」といった、ことばだけのものでした。数字ではっきり決めることで、お店がわかりやすくなるだけでなく、自治体の担当者がお店をチェックするときの目安にもなります。
新しく始めるお店には2027年6月1日から、すでにあるお店のケージの広さには1年おくれの2028年6月1日から当てはめられます。環境省は、お店や自治体の担当者向けに、くわしい説明をまとめた資料(運用指針)も公開しました。鳥や爬虫類についてはまだ数字の基準はなく、爬虫類については専門家の話し合いが続いています。
豆知識:おすすめはもっと広いケージ
数字の基準は、あくまで「これより小さくしてはいけない」という最低ラインです。運用指針では、うさぎを長く飼う場合は、1匹の基準のおよそ4倍の床の広さと、安全にのぼれる段差があるとよいとすすめています。
ハムスターについては、穴をほったりもぐったりできるように床材を深めにしくこと、かくれる場所やかじれる物を入れることがすすめられています。ゴムでできた物は、のみこむおそれがあるのでさけたほうがよいそうです。フェレットやチンチラ、ヨツユビハリネズミなどにも、目安となる広さが示されました。
家で飼う人にも役立つ
このルールはお店のためのものですが、数字は家でケージを選ぶときの参考にもなります。体の大きさに合った広さか、運動できる時間や場所があるか、暑さ寒さの対策はできているか、見直すきっかけにしてみましょう。動物の体調で気になることがあれば、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
ここがポイント
- 環境省が2026年10月15日、犬と猫以外の哺乳類をあつかうお店の新しい基準を決めた
- うさぎ・ハムスター・モルモットは、ケージの広さが頭胴長から数字で決まる
- 動物を見せるのは1日12時間まで。夜8時から朝8時は休みをじゃましない
- 2027年6月1日から始まる(すでにあるお店のケージの広さは2028年6月1日から)
出典: 環境省「第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令の一部を改正する省令の公布等について」(2026年10月15日)、環境省「改正省令の概要」(2026年10月15日)、環境省「動物取扱業における犬猫以外の哺乳類の飼養管理基準の細部解釈と運用指針」(2026年10月)、環境省「動物の愛護と適切な管理 お知らせ・更新情報」
